排水処理の現場でよく使われる指標のひとつに「含水率」があります。
含水率とは、汚泥や廃棄物に含まれる水分の割合を示す数値で、
たとえば含水率80%とは、全体の重量のうち80%が水分であることを意味します。排水処理で発生する汚泥は水分を多く含むため、処理後の扱いやすさやコストに大きな影響を与えます。
含水率が高いままの汚泥は、水分の重さによって運搬や処分に大きなコストがかかります。また、水分が多いと臭気の発生源になりやすく、周辺環境への影響も避けられません。さらに、焼却処分を行う場合には水分を蒸発させるために多くの燃料を必要とするため、エネルギーコストも膨らんでしまいます。
一方で、含水率を下げることができれば、汚泥の量が軽くなり運搬費や処分費を大幅に削減できます。加えて、臭気の低減や燃料使用量の削減といった効果も得られ、環境負荷を抑えることにつながります。そのため、含水率の低減は「汚泥処理の効率化」の核心ともいえる重要なポイントです。
効率的に含水率を下げるためには、機械による脱水処理に加え、自然由来の脱水助剤などを併用する方法が有効です。これにより、従来の設備を大きく変えずに処理効率を高め、コスト削減と環境改善を同時に実現することが可能となります。