排水処理や水質管理においてよく使われる指標に「BOD」と「SS」があります。これらは水の汚れ具合を数値で示すもので、環境基準や排水基準を判断するうえで重要な役割を持っています。
BOD(生物化学的酸素要求量)は、水の中に含まれる有機物が微生物によって分解されるときに必要となる酸素の量を表します。数値が高いほど有機物が多く含まれており、水質が汚れていることを意味します。畜産排水や食品加工排水はBODが高い傾向にあり、適切な処理を行わなければ河川や地下水の汚染につながる恐れがあります。
一方、SS(浮遊物質量)は、水中に浮遊している細かな固形物の量を示す指標です。餌の残渣や糞尿由来の固形分、食品加工の副産物などがこれにあたります。SSが多いと水の濁りが増し、沈殿やろ過処理が必要となります。
BODとSSはいずれも排水基準において厳しく規制されており、適正な処理を行うことが法的にも求められています。排水処理を考える際には、この2つの指標を正しく理解することが第一歩となります。